気が付いたら真っ暗な空間にいた。
(夢の中なのかな?)
薄らと誰かの声が耳に届く。
「……ねえ起きて。起きてってば」
目を覚ますと茶色の毛に長い耳の哺乳類モンスターがいた。名前は“イブスキ”
どうやらこの子が起こしてくれたらしい。
そして自分が人間だと言うと変な顔をされた。
「どこからどう見ても、あひるモンスターだよ?」
黄色い体に長いくちばし、改めて姿を確認するとどう見ても人間じゃない。
それと困ったことに何も思い出せない。唯一思い出せるのは――そうだ。
「私の名前は……デロダック」
「デロダック、おもしろい名前ね!」
イブスキはそう言って快活に笑った。こっちはまだ状況が分かっていないのに。
「だれかぁー!助けてー!」
どこからか聞こえてきた助けを求める声。イブスキと視線が合う。
『助けに行かなきゃ!!』
こうしてイブスキと私との救助隊“ズツウがする”の活動が始まった。
つづく!!